フィリピンの街並み 変わるものと変わらないもの

この青空に突き抜ける超高層ビル、どこにあると思いますか(図1)?
フィリピンの首都、メトロマニラのマカティ市にあるAyala Triangle Gardensという場所の一角の、新しく開発されたエリアにあります。右側のタワーが40階建てのオフィスビル、左のタワーが24階建ての5つ星ホテルです。2021 年9月にZenmovのスタッフ2名でコロナ禍の中、フィリピンに出張したときに撮影してきました。

図1 Ayala Triangle Gardens
出典:Zenmovスタッフ撮影〈2021年9月〉

フィリピンというと、貧しい国で、スラム街があったり…のイメージが強いと思いますが、日々発展しています。フィリピン国民の平均年齢は26歳、日本は47歳です。フィリピンは若くて成長著しい国で、出張で訪れるたびに街の風景が変わります。

超高層ビルのあるAyala Triangle Gardensの「Ayala」とは、フィリピンの財閥の名称で、小売、教育、不動産、銀行、通信、水道インフラ、再生可能エネルギー、エレクトロニクス、情報技術、自動車、ヘルスケア、経営管理、BPOなど、多角的に事業を展開しています。

その不動産部門、フィリピンのデベロッパー大手の1つAyala Landが開発し、フィリピンで最も注目されている街の1つがマカティ市の隣、タギッグ市の北東部にあるBonifacio Global City(BGC)です(図2)。BGCのあるエリアは、元はFort McKinley米軍基地でしたが、1949年にフィリピンに返還され、Fort Bonifacioと名称が変更されました。1999年よりフィリピン共和国基地転換開発公社(Bases Conversion and Development Authority:BCDA)がオフィスエリアに開発する目的で土地の売却を進め、Ayala LandとCampos GroupのEvergreen Holdingsが開発をしました。近代的な高層オフィスビルが立ち並ぶ現在のBGCの町並みは整然として美しく、自分がどこにいるのか分からなくなります(図3)。

図2 BGCの場所
出典:OpenStreetMap
図3 BGCの町並み ①高層ビル
出典:Zenmovスタッフ撮影〈2022年4月〉

BGCの面積は240ヘクタールで、タギッグ市全体の5%を占めています。2020年時点の人口は11,912人です。エリア内はフィリピン名物のトライシクルやジープニーの乗り入れは禁止されています。そのため空気もきれいで、フィリピンらしい喧騒とは無縁で閑静な雰囲気を保っています。道路・歩道が整備されていて、オフィスビルやショッピングモールがあります。治安もいいため、各国の駐在員が暮らすレジデンスもあり、公園や広場も充実しています(図4)。

図4 BGCの町並み ②緑あふれる広場
出典:Zenmovスタッフ撮影〈2022年4月〉

が、やはりBGCもフィリピンである…と痛感せざるを得ないのが渋滞問題なのです。エリア内の移動は、自家用車、巡回バス、レンタルサイクル、徒歩になりますが、隣のビジネスの中心地マカティ市に移動するのに、通常は車で10分ほどなのが朝晩のピーク時には40分近くかかってしまうのです。

弊社Zenmovはマニラ市のイントラムロスやパサイ市でMaaS事業を手掛けていますので、BGCのきれいな街並みにふさわしい、便利で環境に優しくておしゃれな交通事業のグランドデザインはどのようなものがいいだろうか?とイメージを膨らませてしまいます。

日々変わっていくフィリピンですが、最後に変わらぬ風景もご紹介します。マニラ湾に沈んでいく夕日です(動画1)。数えきれないほどフィリピンには訪問・滞在していますが、この景色は変わることはありません。この夕日を見るとフィリピンにいるのだな…といつも実感します。

動画1:マニラ湾の夕日
出典:Zenmovスタッフ撮影〈2021年9月〉

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